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欧米並みの医療DX政策を

 2023年9月29日の厚生労働省から発表された報告(*1)を読むと、2023年度第38週(9/18~9/24)のCOVID-19(新型コロナ)感染者数定点報告は11.01となり、前週37週(9/11~9/17)の17.54から大幅に下がった。これで、8月のお盆帰省明けから続いていた新型コロナ感染の増加傾向が収まり、第9波と思われたいた新型コロナのパンデミックも収束傾向になっていくと思われる。

 2020年に発生した新型コロナによって医療の現場には非常に大きな大打撃を受けた。例を挙げれば、病床受入れの問題、救急受入れの問題、人員・薬剤・機器など医療資源の問題など様々な問題が発生した。ある意味、大規模地震が起こった時のような状況に似ている。この大打撃から復興するのは、まさしくデジタル化、DXであると私は考える。

  1. ポリファーマシー問題解決のため、電子処方箋を活用を
  2. オンライン診療の拡大を
  3. チーム医療の推進を

1.ポリファーマシー問題解決のため、電子処方箋を活用

 生活習慣病を抱えている患者さんは様々な疾患リスクをもっている。例えば、高血圧をとってみると、コレステロールや中性脂肪が高い脂質異常症から起因するものだったり、腎臓や肝臓疾患からくる場合もあるだろうし、心臓や血管疾患からくる場合もある。その元となっている疾患を治療するために、高血圧治療薬だけでなく、コレステロールを下げる薬を服用したり、心臓の活動を抑える薬を服用したりすることがある。もちろん、これはこれで治療に必要であるため医師は処方しているのであり否定するわけではない。しかし、薬には主作用だけでなく、副作用があり、飲み合わせによっては体に有害に働く場合がある。特に高齢者にはこの問題が顕著に表れてくるのではないか、と思う。さらに、我が国では、患者が、診療科毎、臓器毎に、かかりつけの医療機関を変える傾向があり、別々の医師が処方した薬が互いに作用することが稀にある。患者の視点から言えば、医師が処方した薬だから安心して服用するが、そのことが先に述べたように薬の主作用・副作用が影響して患者自身の健康に悪影響してしまうのではないかと思う。その問題を解決するために電子処方箋の実現を推進したい。

2.オンライン診療の拡大を

 我が国では新型コロナパンデミックによって医療逼迫がおこり救急医療に大打撃、病床確保の問題が発生した。令和4年度診療報酬改定で遠隔診療が認められ、IT・デジタルの活用に前向きな医療機関は遠隔診療を導入しているが、まだ全医療機関に普及はしていない。患者さんが自宅に居ながら病気の相談、治療、治療薬の処方を受けることによって、患者の利便もあがる。いま現実に起こっている医療機関に患者が溢れ、医療機関の職員が疲弊することもなくなるだろうと思う。また同時に、デジタルを使って遠隔で診療することで、患者自身が症状・病気について能動的に知識を得て、自分の身体のことをよく理解するようになり、医療に対しての考えも変化するのではないかと期待する。

3.チーム医療の推進を

 我が国では2024年4月から医師の時間外労働に上限が設けられる、いわゆる医師の働き方改革が運用される。この医師の働き方改革によって、チーム医療が進むことが期待される。そして、医師でしかできない業務と、医師以外の看護師、薬剤師、技師、事務職でも可能な業務を区別し、患者の為に治療技術の進歩、発展していくことを期待する。さらに医師以外の職種でも可能な業務の中にも、デジタル化することによって患者の利便が図れるものもあるはずである。そういった面からも、さらなるチーム医療を進めたい。

 まずはこれら3つの政策が実現すれば、まさにコロナ禍からの医療再生、医療復興ができるのではないか。ぜひ日本政府には医療DXを重要課題として進めて欲しい。

(*1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/001151300.pdf

本ブログ参考記事

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD280TR0Y3A920C2000000/


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